4129人が本棚に入れています
本棚に追加
「でも、考えてみれば森下の家で私だけ違っていたんだよね。
両親も海斗も容姿端麗なのに私だけが違ってた。
あーなるほどな。ってひとりで笑っちゃった。」
そう、私のコンプレックス。
「だからといってどうにかなるものでもないんだけど・・・。
変えられようのない事実なんだし。
涼くんは・・・すごく素敵な人でしょう。
だから私なんかと一緒にいたら、モテ男子としての株が下がっちゃうよ。」
「そんなの関係ないですっ。」
少しだけ声を荒げて涼くんが言った。
「私には関係あるの。
森下の家の事も、コンプレックスの事も。
考えると息が出来ないくらい苦しくなるの。」
ちゃんと伝えなければいけないのに、感情がうまくコントロールできなくなっている。
いつの間にか、ぽろぽろと涙が零れていた。
最初のコメントを投稿しよう!