その先にあるもの

第五章

昨夜、海斗から時間を取って欲しいと言われた。

大事な話があると言って･･･。

お母さんの料理もずいぶんご無沙汰だし、実家に行こうと思っていたら

「部屋に行くから」

と有無を言わさず強引に決められてしまった。

水曜日の楽しみな寄り道。
今夜は行かずに来週にしよう。
まだちょっと行き難い。
あの一件以来、躊躇う気持ちのほうが強かった。