第二十七章

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「涼には話しておいた方がいいな。 一応、義理の兄弟になるわけだし。」 「・・・・・・。」 これから語られる内容は月菜さんとのことだ。 「俺が両親から聞かされたのは、高校を卒業してすぐだった。 月菜にも同じように、高校卒業を待って伝えたらしい。 あり得ない事だと思ったよ。 でも紛れもない事実。 俺にはどうすることもできない事実。 大学入ってからも、暫く荒れてたな。 意味もなく両親を呪ってたね。誰のせいでもないのにさ。 今になって思えば、ホント青臭いガキだったよ。 俺よりも、月菜の方がよっぽど参ってたのに。 荒れるなんて今の俺からしてみればおかしくて仕方ない。」 「・・・・・・。」 「でも、間もなくして月菜が独り暮らしを始めた時は、ショックだったな。 距離を置かれた感じがしたよ。 きっと、早く独立したかったんだろうな。 変なところで異常に気を使う人だから。」 きっと俺だったら・・・、立ち直れない気がした。
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