第二十七章

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『オマエが羨ましいよ。』 ふっと笑って言った言葉。 たったこれだけのフレーズなのに、そこには海斗の気持ちが詰め込まれている気がした。 「俺、必ず月菜さんを幸せにするから。」 「当たり前だろ。」 「オマエにきちんと報告できて良かったよ。」 「まだこれから色々あって、大変だぞ。」 「親父さんにも挨拶行かないとな。」 「許しを貰えなかったりするかもしれないしな。」 きっと… 海斗は誰にも打ち明ける事のない想いをずっと抱えたまま、月菜さんと姉弟を演じていくんだろう。 そう思うと、何故か切なくなった。
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