第二十七章

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「今日の慰労会の席決め、女性陣はくじ引きらしいぜ。」 「くじ引き?」 「あぁ。 谷口と同じテーブルになる為にさ。」 「はぁ? なんだそれ。馬鹿らしい。」 海斗に報告も終え、週も半ば、 今日は朝から中村のテンションが高かった。 「一部の女性から、出たんだと。 同席したい人をくじ引きにしてくれってさ。 年に数回しかない大規模な飲み会だから、いいだろうって事なんじゃん。 上役連中もそこは目を瞑るんだろうな。 言ったろ? 最近のオマエの評価が更に上がってるって。」 年度末に慰労会と名打って、忘年会並みの飲み会が催される。 こうした会では、今まで部署毎に席が決まっていたはずなのに、まったく統制も何もあったもんじゃない。 「男どもは部署毎に変わりないから、俺とみんなの王子様は一緒だけどね。」 「どうでもいいけど。」 「おぉ、クールですねぇ。」 ほんと、コイツは何時も面白がっている。 いったい何がそこまで楽しくさせるのか、理解できない。でも感謝もしていた。
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