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「そういえば、谷口、主任になるんでしょう?」
「あぁ。」
「おめでとう、同期の中で一番に出世したね。」
「ありがとう。」
秋葉の言う事は、素直に受け入れられる。
それは裏表がないからだ。お世辞もあまり言わない。
中村に限らず、俺に対しても平気で毒を吐く。
おそらく同性には敬遠されるタイプだろう。
でも、俺も中村も秋葉の事は嫌いじゃない。
「あの…
営業部の谷口さんですよね?」
おとなしそうな彼女が、おずおずと口を開いた。
「そうですよー。
彼がみんなの王子様、谷口涼さんでーす。」
俺よりも先に中村が答える。
「君は、何部の誰かなー?」
「経理部の太田恵美です。」
「恵美ちゃんねー。
谷口に何か聞きたい事でもあるのかなー?」
中村のヤツ、何でいちいち語尾を延ばすかな?
秋葉を見ると、呆れた顔をしていた。
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