第二十七章

22/23
前へ
/525ページ
次へ
「俺、ちょっと落ち着くために、煙草吸ってくるわ。」 「何で中村が動揺してんのよ。」 「いや、ちょっと心臓がドキドキがして煩いんだ。何でか俺にもわからないけど。」 中村が動揺しているのは意外だった。 まぁ、先を越されたとでも思っているんだろう。 「谷口は吸いに行かないの?」 「俺、止めたんだ。」 「何?健康の為にとか?」 「いや、彼女喉が弱い人だから。 居ない場所で吸うなんて事をしているんだったら、いっそのこと止めた方が早いからさ。」 俺にとってはごく自然な事。 「谷口がそこまでするなんて、ほんと凄い人なんでしょうね。」 「ある意味ね。 俺にとって、なくてはならない人だな。」 今の俺にとって、彼女が居ない人生は無いに等しい。
/525ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4129人が本棚に入れています
本棚に追加