第五章

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私の向かいに座って海斗は今、黙々と食べている。 時間を取って欲しいと言われ、翌日にはこうしてやって来る。 気が付けばいつも海斗のペースだ。 オムライス。 海斗の好きなもの。 決して上手ではないけれど、よく作って2人で食べていた。 目の前で頬張っている姿は幾つになっても変わらない。 そんな海斗を見ていると、安心する。 「シャンパンじゃない方がよかったかもな。 ビールないの?」 「せっかく海斗が買ってきてくれたんだもん。 シャンパンのままでいいよ。」 「月菜好きだもんな。」 「海斗が、でしょう。」 こんな会話でも楽しい。 「ねぇ海斗、話があるんでしょう。何か相談事でもあるの?」 「・・・まぁそんなところかな。 食べてから話すよ。」 いつもの海斗らしくない。 そんな気がした。
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