第二十八章

4/27
前へ
/525ページ
次へ
「私ね・・・、 晃太がいなくなって、幸せって何が形とられたものかって考えたの。 何かに執着すると手に入らなかったときに、不幸だと嘆いたりするよね。 だから執着することを諦めたとしても、今度は手の中が空っぽだってことに気が付くのね。 失ったものの事を考えてみても決して戻らないって、改めて理解したの。」 私の言葉に海斗は黙ったままだった。 「なんか、訳の分からないこと言ってごめん。 結局、正しい答えなんて見つからなかったんだけどね。 私・・・ 出来るかどうかわからないけど頑張ってみる。 幸せっていうものが形として存在するんだって証明してみせる。」 「涼は、相当しい相手だよ。 間違いなく幸せを形にして表してくれるよ。」 「うん、そう信じてる。」
/525ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4130人が本棚に入れています
本棚に追加