第二十八章

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涼くんが来た。 「おはようございます。」 「おはようございます。どうぞ。」 朝からキラキラと輝いているように見えるのは、気のせい? 今の私にはちょっと眩しすぎる。 靴を脱いだのを確認して部屋の中へ戻ろうとした私に向かって、 「充電させてください。」 と囁き、返事をする間もなく抱きしめられた。 「あー月菜さんだ。」 「ちょ、ちょっと待って。」 「嫌だ。 月菜さんが足りなくて、酸欠しそうなんです。 30秒だけでいいから。」 涼くんの心臓が心地よいリズムを奏でて伝わってくる。 「いつもと違う香りがします。」 「ちょっと前にシャワー浴びたから・・・。ボディソープを違うのにしたからそのせいかな。」 「俺が来るのをわかっててシャワー?」 「・・・朝一で掃除をしたから。」 そう、何の作為もない。 心をすっぴんにしただけ。
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