第二十八章

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「・・・会社で結婚宣言したって、本当?」 「えっ?月菜さんが何で知ってるんですか?」 「っていう事は、本当なのね。」 「はい。宣言しました。 でも、どうしてその事を・・・。」 「後輩から聞いたの。 彼の友人って涼くんの同僚でしょう。 別に責めてるとか、そんな事じゃなくて、人伝いよりも涼くんから聞きたかったなって・・・。」 口では責めていないと言いながら、心のどこかで納得していないのは事実だった。 「宣言してダメでしたか? もしかして、ちょっと怒ってます・・・ね。」 「そんなことないけど、ちょっと驚いたっていうか・・・。」 「俺には結婚する相手がいるんだって声を大にして言いたかったんです。」 「涼くん、モテるんだってね。」 「もしかして嫉妬してます? 俺は月菜さんが、俺のことを愛してくれていたらそれだけでいいんです。」 恥ずかしがらずに、よくスマートに言える・・・。 聞いてる私の方が恥ずかしい。
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