第二十八章

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園内にいる動物達は、皆ゆったりと時間を過ごしているように見えた。 まるで私達の事など気にも留めず、あるがままに。 題名は忘れてしまったけど、以前読んだ本に書かれていた事を思い出した。 動物園の動物は人間に観られているのではなく、逆に檻の中から人間を観察していると。 まさにその通りだと思った。 「私もあの中にいるゴリラになりたい。」 「え?」 声に出てしまっていたみたいで、隣に立つ涼くんが驚いて私を見た。 「今の、独り言だから。」 「俺は嫌だな。 月菜さんがゴリラなんて。」 え?って言ったのに、ちゃんと聞こえてるじゃない…。 .
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