第二十八章

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「あのね、涼くん。 さっき言ってた、お昼ご飯なんだけど、よかったらここで食べない? 焼きそばとか、アメリカンドッグとか、久しぶりに食べたいなと思って。 いいかな?」 「いいですよ。 そういえば、アメリカンドッグなんてしばらく食べてないな。」 お寿司はなんとか回避出来そうだ。 別に気にもしてないし、後ろめたいことなんて・・・ない。 でも昨夜の今日で同じものは食べたくない。 「美味いですね。 外で食べるせいもあるのかな。」 アメリカンドッグをお互い1本ずつ、焼きそばは大盛にしてふたりで半分にして食べることにした。 「飲み物足りなかったら買ってくるけど。」 「大丈夫です。」 私はウーロン茶、涼くんはコーラ。 「お昼は私の希望を叶えてもらったから、夜は涼くんのご希望通りってことで。」 「本当に?そうしたら、何か作って食べたいな。 帰りに駅前のスーパーで買い物して帰りましょう。 メニューはその時の直感で決めてもいいですか? それと・・・今日、泊まってもいいですか?」 たぶん、そうくると思っていた。 「どうぞ。」 「やった。」 満面の笑みで言う姿は、動物園にきている無邪気な小学生の男の子みたいだった。
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