4129人が本棚に入れています
本棚に追加
/525ページ
なんとなくおかしいと感じていた。
今週の月菜さんは、毎晩のように付き合いがあったらしく、ろくに会話もできなかった。
遠慮したつもりもなかったけど、メールも極力我慢した。
だからこそ、
本当はふたりきりでゆっくりしたかったのに。
今日の月菜さんは、逢ったときから落ち着かない雰囲気を漂わせていた。
何よりも驚いたのは、好きな寿司を蹴ってまで、滅多に食べないような物を食べたがったこと。
もしかすると・・・、
同僚さんと二人で食べたのかもしれない。
あえて昼ご飯って言ってみたものの、間違いなく夜だ。
きっとそうだ。
彼女はポーカーフェイスの割に嘘が下手だ。
嘘をつかない人だから、余計にわかる。
問い詰めたい。
でも、そんな事をしたからといって何になる。
俺と居ない時の彼女まで束縛する権利はない。
ここまでくると自分の器の小ささに嫌気がしてくる・・・。
だけど目の前のこの人だから、こうして掻き乱されるんだ。
そう思った途端、めちゃくちゃ抱きたくなった。
最初のコメントを投稿しよう!