第二十九章

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薄曇りになりつつある気持ちとは関係なしに、外で食べるアメリカンドッグは美味かった。 「焼きそばも美味しいね。 たまにはこういったのもいいかもね。」 彼女の素直な気持ちだとわかってはいても、スッキリとしない。 今日の夜は、俺の希望通りにしてくれるって言ってくれたし、 泊まることもOKが出たし、 何をぐだぐだしてるんだ。 薄曇りなんかさせてる場合じゃないだろ。 「ん? もしかして、これだけじゃ足りない?」 「大丈夫です。 月菜さんが、美味しそうに食べるのを見てたんです。」 「やだ。 私、そんなにがっついてた?」 「ちょっとだけ。」 恥ずかしそうな顔をしながら、ウーロン茶を啜るその様子を見ていたら、変な事を考えるのが馬鹿らしくなってきた。
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