第二十九章

9/26

4129人が本棚に入れています
本棚に追加
/525ページ
「キスしたい。」 あ・・・・・・。 マズいと思った時には、すでに声に出ていた。 同時に俺の頭を撫でていた手も止まった。 「アイスコーヒー作らなきゃ。」 そう言って、俺の腕から逃れようとする彼女。 咄嗟に強く抱きしめてしまった。 「い、今のは、願望っていうか、独り言っていうか、 気にしないでください。」 「そんなに焦らなくても・・・。 ちょっとだけ手、緩めてくれると嬉しいんだけどな。」 思った以上に強かったらしい。 「逃げたりしない、ですか?」 「・・・うん。 でも、アイスコーヒーは作らないと。喉乾いているでしょう。」 降参して彼女から腕を離した。
/525ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4129人が本棚に入れています
本棚に追加