第二十九章

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「乾杯。」 「乾杯、今日はお疲れさま。」 「いただきます。」 「お口に合うかわかりませんけど、どうぞ。」 俺の希望通りに親子丼を作ってくれた。 しかも味噌汁だけじゃない。 ほうれん草のおひたしときんぴらごぼうまである。 「うまい。 マジで美味しいです。」 「よかった。」 「料理はしない。なんて言いながら、さくさくって作っちゃうなんてやっぱスゴいですよ。」 「最低限くらいはやるけど、レパートリーが少ないし。 基本的に下手くそだから。」 いや、マジでうまいし。 オムライスも俺のツボにドンピシャだったけど、こっちもはまりそうだ。 「ビール、もう少し飲む? 何ならシャンパンもあるけど。」 「アルコールはこれで十分です。」 飲んだところで、酔うなんてことはないけれど、アルコールに背中を押されるような感じにはなりたくない。
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