第二十九章

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部屋にぽつんと一人でいる俺は、手持ちぶさたにテレビをつけてみた。 お笑い番組だろうか、名前のわからない二人組が出ている。 普段テレビは見ないから、どうしてもこういう類いの話題には疎く、いつも中村が話す事を半ば感心しながら聞いているだけだ。 でも今は、こうしてテレビを点けていないと何だか落ち着かない。 俺の後に入った彼女が風呂から出てくるまでは、まだ時間がある。 少しだけ、とゴロンと横になった。 「……くん、 涼くん、風邪ひいちゃうから起きて。」 誰かが呼んでる? 誰だ? 呼ぶ声にハッとした。 目を開くと月菜さんが俺を見ている。 「起きた?」 「もしかして、寝てました?」 「うん。 気持ちよさそうに寝息まで立ててたけど、風邪ひいたら大変だと思って。」 月菜さんの言葉を聞きながら、次なる行動に出るために頭をフル回転させた。 .
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