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「この前は悪かったな。」
「ほんと。
あの後、同じテーブルになったのをどれだけ後悔したことか。
今日は谷口の奢りっていう事で、私は遠慮しないからね。」
先日の一件で、多大な?迷惑を被ったと言う秋葉にお詫びという名目で年度末の今日、二人で飲みに出かける事になった。
本当は昼飯の方がよかったけど、秋葉がそれを断った。
何故なら、昼飯だと会社の近くで済ませるしかない。
俺と一緒のところを見られるのは、しばらく避けたいらしい。
「それにしても、ウチの女子どもは凄いね。
谷口の結婚宣言のあとでも、そんなの関係ないって感じで騒いでるよね。」
「好きにさせとけばいいんだよ。
俺は結婚するんだから。」
「ふーん、ずいぶんクールな谷口さんですね。
あんたってもしかして二重人格だったりして。」
「そうかもな。」
本当に毒ついた事を言う奴だ。
でも、秋葉には何を言われても腹も立たない。
「それで、結婚に向けて準備は進んでるの?」
「いや、まだ何も。」
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