第二十九章

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「あのさ、こんな事言っちゃ悪いけど、谷口が一人で足掻いているようにしか見えないよ。 この世の人じゃないとはいえ、心に別の人を想っているかもしれないわけでしょ? 谷口がそれでもいいって言っても、やっぱりちょっと悲しいような気がする。」 「秋葉の言う通りかもしれない。 でも、それでも俺はあの人じゃないとダメなんだ。」 「何でそんなに執着するの? 谷口だったら・・・。」 「好きになるのに理由なんてないよ。」 秋葉の言葉を遮って言った。 「理由ね・・・。 一度会ってみたいよ。谷口にここまで言わせるその人に。 どんな人なのか見てみたい。」 「普通の人だよ。」 「みたいね。 中村が言ってた。」 「中村が?」
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