第二十九章

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「それで谷口は彼女の言う事を受け入れて、一緒に住むのを諦めたってわけね。」 「落ち着いたら住むさ。」 「谷口も主任になったんだから、しっかりしないとね。」 「秋葉に罵倒されないようにしないとな。」 「人聞きの悪いこと言わないでよね。」 「本当の事だし。」 少しだけ気分が晴れたような気がした。 人に話すのと同時に自分自身にも言い聞かそうとしたのかもしれない。 「これで王子様も私には逆らえなくなるわね。」 不気味な笑顔でビールを飲む秋葉の姿に俺は凍りついた。
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