第三十章

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「ねえ、森下さん。 聞いてもいいかな?」 「ん? なに?」 「彼氏とはうまくいってるの?」 「それなり、かな。」 「それなり、ねぇ・・・ 余計なお世話かもしれないけど、 森下さんを幸せにしてくれるんだったら 文句言わない。 でも、そうじゃないなら私は黙っちゃ いないよ。」 「黙っちゃいないって、お母さんみたい。」 富沢さんが私の事を心配してくれて いるのは、よくわかる。 あまり自分を出さない私だから、 なおさらなのかもしれない。 今夜の私は、なんとなく話したい 気分だった。 「あのね、 私・・・結婚しようって言われてるの。」 「えっ!? ちょっとなに、いきなりそれ?」 「いきなりっていう訳じゃなくて アプローチはいつもされてたから。」 「森下さん、 もしかして迷ってるの?」 ちゃんと返事もした。 家族に成る為に、涼くんと一緒に 歩いていくと決めた。 でも・・・ほんの少しだけ足踏みする私もいた。
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