第三十章

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頬張った焼き鳥を飲み込んだ彼女が、強い眼差しで私を見た。 「イヤな話かもしれないけど、あえて聞くね。 躊躇している要因のひとつに、婚約者だった人の事が関係していたりする?」 ここで、しかも富沢さんから晃太のことを言われるとは思わなかった。 「・・・・・・忘れることはないと思う。 だからといって、他の人を愛せないとかというものでもなくて。 ほんと中途半端な私だね。自分でもよくわかんない。」 「そっかぁ。 まっ、男と女なんてそんなもんだよね。 簡単にわからないからドキドキしたり、駆け引きしたりするんだろうし。 年齢に関係なく、いつまでも恋愛していられたらいいよね。」 恋愛か・・・。 富沢さんは旦那さんとずっと恋愛しているんだろうな。 私はこれから先、ずっと恋愛していけるのだろうか。 今夜、涼くんに電話をしてみようと思った。
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