第三十章

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それにしても、伊藤さんは不思議な人だと思う。 私の事を馬鹿にしていると思えば、優しい言葉をかけてきたり。 あの人が近くに来るだけで調子が狂う。 私がこうなる事も計算の上だとしたら、腹黒いどころじゃない。相当なワルだ。 陥れられないうちに、しっかり臨戦態勢を整えないといけない。 「もう少し静観視して、ここぞという時に反撃だからね。」 富沢さんはそう言うけど、できるだけ当たり障りなくやり過ごしたい。 面倒なことにならないといいけど・・・。 この一週間の事を考えていたら、携帯が鳴った。 時計を見ると、間もなく11時になるところだった。
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