第三十章

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ディスプレイには涼くんの名前。 深呼吸を一回し、通話ボタンを押した。 「駅に着いたんですけど、何か買っていくものはありますか?」 ゆっくりしようって言ってたから、外に出ない事を前提に動いているんだと思う。 「ううん、大丈夫。 涼くんが良ければ私は特に無いかな。 わざわざありがとうね。」 たぶん、何か甘いものを買ってきてくれると思うから、それだけで十分だし。 冷蔵庫にはおもてなしに対応出来るものは用意してある。 「わかりました。それじゃ向かいますね。」 「うん。待ってる。」 ほんの少し前にしていた考え事を打ち消したくて、気合いを入れる為にぴしっとほっぺたを叩いた。 そして、口角を上げて笑顔を作る。 よし、準備完了。
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