第三十章

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ガクンと頭が下がった反動で、我に返った。 すぐに状況が掴めなくて、目をキョロキョロさせてしまった。 もしかして・・・ 寝ちゃってた? 涼くんが私を見て笑ってる・・・。 その笑い方で可笑しいって言ってるのがわかるんだけど・・・。 「気持ち良さそうに舟を漕いでいたから。」 「つい寝ちゃって、ごめんね。 起こしてくれてもよかったのに。」 「いつの間にか、こっくりこっくりしていたので相当疲れてるんだなと思って。 だから起こさないでいました。」 涼くんが来てから、少し早めのお昼ご飯を食べた。 そして、DVDを見ながらゆっくりしていたはずなんだけど・・・。 ここまでの記憶しかなくて・・・。 窓から入ってくる心地よい風が、眠気も一緒に連れて来たのかもしれない。 うん、覚えてないけど絶対そう。 「俺のことは気にせず、昼寝してください。」 「ううん、もう大丈夫。そんな失礼な事できないよ。 あ・・・・・・。」 言った後に気がついた。 すでに失礼な事をしていたということに。
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