第三十章

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私の頭の下には、涼くんの腕。 こんな展開になるなんて、思ってもみなかった。 持参したクッションは、使われることなく私の右に置かれている。 改まって昼寝をするのって、何だかくすぐったい。 明るい日中に腕枕なんて・・・。 「こういうのをゆっくりするって言うんでしょうね。 時間を気にせずのんびりできる。 このひとときがいつまでも続くといいです。」 「そうね。」 「おじいさんとおばあさんになっても、ですよ。」 「ずいぶん先の話ね。」 「先か・・・。 確約が欲しいな。」 その声は呟くように小さなものだった。
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