第三十章

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もしかして、涼くんこそ疲れがピークになっているのかもしれない。 さっきの呟くような言葉を聞いてそう思った。 腕枕なんてしてもらってる場合じゃないでしょ。と自分に突っ込んでしまった。 「もう一眠りは?」 「ん、頭の下がちょっとくすぐったくて・・・。」 嘘じゃない。 考えていたら、目がぱっちりとしてしまって昼寝の続きなんてできない。 「このシチュエーションで言うのも何なんですけど・・・。 あっ、こういう感じだから言えるのかな。」 いつになく一人で納得しながら、話を進めようとしている涼くん。 疲れていると思ったのは、勘違い? 「・・・さっき言った、おじいさんとおばあさんの話。 あれは・・・、うん、俺の切実な願い。 願いを叶えるために、ずっと隣で笑っていてもらえるように頑張りたい。」 頑張りたいって・・・。 いつも十分すぎるくらい伝わってるから。 「アピールはいつも120パーセントだね。」 「もっとですよ。 200パーセントのつもりですから。」 「ごめん。少なく見積もりすぎたね。」 「でも、伝わってるって事ですよね。」 「うん。」 「それなら良かった。0だったら落ち込むとこだった。」
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