第三十章

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「ちょっと、つねってもらえますか?」 右の頬を私の方に突き出して言う涼くん。 つねるんじゃなくて、手を添えた。 「夢じゃないから。 ・・・もう、涼くんがいないとダメみたい。 改めてよろしくお願いします。」 うん、これでいい。 甘えて生きるのもいい。 「ふたりで幸せになろう。 ずっと、月菜さんを守るから。」 「私は、涼くんを支える。」 「頼りにしてます。」 「はい。」 一緒に暮らすということは、そういうことなんだ。 すごく遠回りをしたかもしれない。 でも、この気持ちは今になって形となったもの。 早いとか遅いなんて関係ない。 ようやくひとつの決断をして、心が軽くなったような気がした。
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