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「ちょっと、つねってもらえますか?」
右の頬を私の方に突き出して言う涼くん。
つねるんじゃなくて、手を添えた。
「夢じゃないから。
・・・もう、涼くんがいないとダメみたい。
改めてよろしくお願いします。」
うん、これでいい。
甘えて生きるのもいい。
「ふたりで幸せになろう。
ずっと、月菜さんを守るから。」
「私は、涼くんを支える。」
「頼りにしてます。」
「はい。」
一緒に暮らすということは、そういうことなんだ。
すごく遠回りをしたかもしれない。
でも、この気持ちは今になって形となったもの。
早いとか遅いなんて関係ない。
ようやくひとつの決断をして、心が軽くなったような気がした。
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