第三十一章

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本当はキスなんかじゃなく、今すぐ抱きたい。 理性なんかくそくらえって言えたなら、どれだけいいか。 でも、彼女はそれを嫌がるのがわかるからできない。 だから、聞く。 「キスしてもいいですか?」 コクリと頷いた彼女をもう一度抱きしめ、キスをした。 改めて思う。 意識しているわけではないのに、こうして腕の中にいるだけで、呼吸がぴたりと合う。 それが俺の心を落ち着かせる。 重なった唇から、お互いが同化してしまうのではないかという錯覚さえも。 俺は・・・ もうこの人なしでは生きていけないかもしれない。 それほどまでに、愛している。
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