第三十一章

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「大丈夫ですか?」 「・・・うん。」 そう言うと、俺に背を向けてしまった。 「こっち向いてください。」 「恥ずかしくて・・・顔、見れない・・・。」 そういえば、いつになく情熱的だった気がする。 何がそうさせたのかは分からないけど、俺は幸せな気分だった。 「身も心も満たされるって、こういう感じなんですかね。」 「そう、かも。」 言葉は返してくれるけど、俺の方を向く気配は無い。 こういうところが、悪戯心を起こさせる。 「恥ずかしいって言ってましたけど、何か知りたいな。」 「教えない・・・。」 「そんな意地悪言わないでください。」 「いじわるって。 涼くんは、・・・Sだ。」 そうきたか。 まさかの切り返しに、何故か可笑しくなった。
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