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「鎌倉の家には、土曜日に行くって事で。」
「うん。」
俺のリクエストで、夕飯はパスタにしてもらった。
レパートリーが少ないと言いながら、彼女はサクッと仕上げる。
そして必ず、味の保証はできないけどねと付け加えて照れ隠しする。
「もう、今から緊張しそう。」
「高校生の頃から何度会ってても、やっぱり違うものなのかな。」
「全然違いますよ。」
「大丈夫だよ。」
片づけを終え、向かいに座ろうとしたのを半ば強引に隣へ引き寄せ、彼女を囲うように落ち着いた。
「本当は明日からでも一緒に暮らしたいけど、きちんとするところは決めないといけないと思って。」
「そうね。」
引き寄せた腕に少し力を入れ、彼女を抱きしめる。
最初は強張っていた身体も、心なしか緩んできた。
遠慮がちに委ねてくれるのが、堪らなく嬉しい。
「コーヒー淹れる?
それともワインでも飲む?」
「今は大丈夫です。
さっき、シャンパン飲んだし、それよりもこうしてゆっくりしていたい。」
このまま眠ってしまいそうなほど、とても心地良かった。
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