第三十一章

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ホームに着くと、ちょうど電車が入ってきたところだった。 日曜日の夕方という事もあって、車内は混んでいた。 とりあえずドア付近に立ち、彼女へメールをする為にポケットから携帯を出す。 海斗からの祝いについては、やっぱり月菜さんが決めて欲しいという事。 そして、指輪のサイズを教えて欲しいという事。 送信をして、目を閉じた。 『月菜を頼んだぞ』 今日、一緒に住むことを改めて報告した時に海斗から言われた言葉。 当たり前だろ、俺の一生をかけて幸せにするよ。 それが俺自身の幸せであることに間違いないのだから。 おまえに言われなくても、わかりきっているさ。 実際に言ったとしたら、きっと自己満ヤローって鼻で笑われそうだな。 そう思いを巡らせていると、乗換駅を知らせるアナウンスが聞こえてきた。 メールの返事はまだ無い。 どこか寄り道でもしてるのだろうか。
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