第一章

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片山潤。 数学を教えている教師。 「何故、先生になったの?」 と聞いたら 「数学が好きだったから」 今でもその答えた時の顔を思い出すと、笑ってしまう。 彼はどちらかといえばクールな部類に入ると思う。 私にとっては、むしろ有難いくらいの相手。 なぜなら、今の私が彼以上に恋愛に関しては冷めているから。 ・・・恋愛だけじゃない。 全てにおいて私は冷めてしまっているかもしれない。 干渉もしない、されるのもイヤ。 知らず知らずのうちに感情さえ押し殺してしまっている。 それが当たり前のように・・・ いつからこんな風になってしまったのかな。 わかっている・・・心の深い深い場所に、きっかけとなった事を封印してしまった日から。 彼のように手に入らない関係がいい。 ・・・だって一番楽だから。
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