第九章

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「来週、学校の用事で北海道に行くんだ。」 コーヒーを飲みながら彼が言った。 「もう北海道は寒いんでしょうね。 雪は降ってるのかな。」 「こっちよりは寒いけど、雪はまだだよ。」 「もし…一緒に行こうって言ったら、行ける?」 「えっ?」 予想外のことを言われてちょっと驚いてしまった。 「はは…無理だよな。 用事が終わるのが金曜だから、その後はフリーなんだ。だから時間が取れればと思って。 でも平日だし、急に言われても仕事だって休めないよな。」 「・・・うん、行きたいけどちょっと無理かな。」 行けないとはわかっていても、こうして誘ってくれた事が嬉しかった。 「いつか一緒に行こうな。」 そう言って、私を抱き寄せた。
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