第九章

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「・・・・・・月菜。」 彼の艶を帯びた声が、五感をくすぐる。 私を呼ぶこの声が好き。 女の私よりもずっと色気があるように思う。 彼の大きな身体にすっぽりと包まれていた。 身動きひとつできない。 首筋を這う彼の唇が私の体温を上昇させていく。 「・・・・・・月菜。」 もう一度呼ぶと、包み込むように私を抱いていた彼の動きが早くなった。
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