第十章

3/12
前へ
/525ページ
次へ
笠原晃太。 私の婚約者だった人。 ありのままの私を愛していると言ってくれた人。 今はもういない。 何故なら、私を置いて逝ってしまったから。 彼とは年老いてもずっと一緒にいると思っていた。 もちろん彼も同じように思ってくれていた。 婚約も終えて、 その年の冬に式を挙げる事も決まっていたのに。 その幕切れはあっけないものだった。
/525ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4129人が本棚に入れています
本棚に追加