第一章

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「月菜、疲れてる?」 わからないように気を付けていたつもりでも、今夜の私は彼にそう見えたのかもしれない。 「大丈夫よ。」 と答えながら、帰りの電車の中での自分を思い起こす。 あの車窓に映った自分の顔・・・ 「来週から模試に向けてまた忙しくなるから。」 「うん、わかった。」 「今日は突然悪かったな。」 あれ?こんな事を言う人だった?何かあったの? 私、そんなに疲れているようにみえるの? 疑問と驚きが入り混じって、彼の横顔を見つめてしまった。 でも、そこにあるのはいつもと変わらぬ横顔だった。
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