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都心から離れた海辺の工業区間。
港と倉庫地帯が交互に立ち並ぶ、静かな場所。
その一画に、俺と相棒は車を止め、一仕事終えた後の疲労感を拭い去ろうとしていた。
が、いつまでもそうしてはいられない。
残っている最後の仕事を終わらせよう。
後部座席に無造作に置かれたノートパソコンを手に取り、起動。
立ち上がったパソコンを操作して、電話を繋ぐ。
呼び出し音が一つも鳴らない内に、待ち構えていたように電話は繋がる。
『報告が遅いぞぃ、2人とも無事じゃな?』
ディスプレイに映し出されたのは片眼鏡をかけた白髪の老人だ。
いつも通りのタキシードスーツを身に纏い、書斎と思しき場所で、恐らくこちらと同じようにパソコンを眺めているんだろう。
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