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「俺達なら大丈夫だよじいちゃん!ほら、【歌姫の歎き】もここにあるし」
運転席に座る俺の膝の上に置かれたパソコンの前に、助手席から身を乗り出した相棒が手を振る。
そして俺の首から下がった紅い宝石を手に取り、画面に引っ張る。
勿論首飾り代わりに首にかかった宝石を引っ張られることで俺も自然と前に引っ張られる。
無言で抵抗の視線を送るが軽くスルーされた。
『依頼は無事成功のようじゃのぅ、2人も無事でなによりじゃ』
「俺達にかかれば余裕だぜ!なっ?」
同意を求められるが、無視しておく。
今回はかなりお前に足を引っ張られた気がするが、あれは夢だったのかおい?
いつまでも宝石を掴む相棒の手を振り解き、【歌姫の歎き】とかいう大袈裟な名のついた今回の獲物を首から外す。
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