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辺りは静寂に包まれていた。
悪霊達の悲鳴の残響が立ち込める中に、フィルは立っていた。
「『悪しき聖者』」
男がポツリと呟いた。
それは、フィルの二つ名のようなものであった。
神に使える身としてはあまりにもの冷酷なフィルを、いつしか人々はそう呼ぶようになった。
「おっかねぇ…。
あれが本当に聖職者かよ」
「今まで何人も
聖職者が喰われたのに…」
「それを一瞬で
たった一人で…」
村人達はドアを開け、フィルを好奇心と恐怖が入り混じった瞳で見ていた。
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