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「…アイツに合わせて10分か…」
走らないでいいならこれからは歩いていこう。走るのも嫌いじゃないが面倒くさい。
―ガラッ
「オイコラお前等席に着け!!出席とるから返事しねぇとシメるからなー!!」
…なんかスゴそうな先生が来た。
高く結い上げた長い黒髪。大きく胸元が開いたYシャツに黒いボトム。出るトコは出たしなやかな肢体。
ヤのつくご職業のような口調の……美女。
突然の"スゴい"先生のお出ましで教室は騒然となった。
「次喋ったヤツはボコッて簀巻きにして講堂に吊すからな。」
―ピタッ
教室中が一瞬で静まった。
先生は物凄く残念そうな顔で
「分かればそれでいい。とりあえず自己紹介だ。
青木部葵涙(アオキベキルイ)。それが私の名だ!以後よろしく!!」
好きに呼べ!!、と満面の笑みでそう言う青木部先生は、女子でも惚れそうな男前だった。
好きに呼べ、とも言ってたことだし"ヤクザ教師"とでも呼ぼう。
「じゃあ出席とるから返事しろよな?藍どu 《―スパーンッッ 「緋煉!!このヤロー置いて走ってくんじゃねえええぇっ!!!!」
…忘れてた。一の存在を脳内抹消してた。
もう教室中が唖然としているのに気付かないアイツはKY野郎でいいんじゃないだろうか。
「…お?8時55分!?マジか15分で着いたのかよ俺!!天才じゃね!?」
この状況でKYの時点でバカ決定だ。
…みるみるうちに青木部先生の額に青筋が増えていく。
あ。これはヤバいな。と思った瞬間
―ガッ
「ちょっと面貸せや。」
―ガラッバタン
《えっ。ちょっギャー!!
…ご愁傷様。一。
悲鳴と聞いててイタい音はしばらく続いていた。
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