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入学式に行かなくていいのだろうか。
悲鳴は止まったけれど先生が一向に帰って来ない。
「ねぇねぇ!君の髪と目ってアルビノ?」
前の方の席から誰かに話しかけられたようだ。
「いや。違う。」
振り向いた先にいたのは青みがかった髪の少年。…背は………低いと思う。
「今失礼なこと考えなかった?」
いや全く。
「ふーん?まあいいや。
髪が白髪っぽくなかったからアルビノじゃないのかなぁ?って思ってたんだ!初めて見たよ白銀<プラチナ>の髪!」
一瞬顔が黒かった気がする。
「そう言えば凄く足速いみたいだね!
僕は椎名秀(シイナシュウ)!『"緋煉"君』でいいのかな?」
「…緋煉でいい。…一の言動で予想したのか?」
「そうだよ!僕も"秀"でいいよ。緋煉は一君?と一緒に来たみたいだし、一君が『15分』て言ってたところをチャイムが鳴るよりも早く入ってきて、その上汗一つ掻いてなかったし!
凄いね!!寮からの道って走って20分以上かかるのに」
頭の回転が速い人はこのことに気付いてるし。との言葉に目を上げてみると、ちらほら驚愕したような表情のヤツ等がこっちを見ていた。
「…そうか…。
なあ。入学式の時間は大丈夫なのか…?」
「ああ!それなら15分には入場しなきゃいけないんだけど…」
9時18分。
「ムリだね!」キッパリ
どうしようもないため秀と他愛のない話をして時間を潰していた。
*
その後、青木部先生じゃない先生が迎えに来てくれて俺達は入学式に参加することが出来た。
その時端っこの方で青木部先生が満足そうな顔で簀巻きにされた一を吊していたのを見て結構な数の生徒が震え上がっていたと言うのは余談である(なんかガタブルしてる先生もいた)。
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