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気が遠くなるような時間を経て彼は目覚めました。
目を覚ました彼は、眠っていた間に何世紀もの時間が流れていた事実に驚きました。
そして思いました。
「"世界"を創るのは思っていたよりも自分の"力"を削っていたのだ」と。
彼の下に、彼の目覚めに気づいた<狼神>ウルゼアが現れました。
全く姿の変わらない彼と違って、まだまだ力強くはありましたがウルゼアは少し年をとったように見えました。
2人は再会を喜びました。
けれど、その喜びは長く続きませんでした。
ウルゼアから、一部の人間が神々の存在を忘れ去り、欲に溺れ、生命の力を世界に供給していたことから、<生命の樹(セフィロト)>と呼ばれるようになっていた<始まりの樹>を手中に収めるため、争いを起こし、多くの国々を戦火に巻き込んでいると言うことが語られました。
彼は驚愕と共に悲しみに暮れました。
自分が世界のモノ達に良かれ、と思ってしたことが、逆に災いをもたらす原因となっていたからです。
彼は悩みました。
今となっては生み出した神々達も眠りについている者の方が多く、原因となった生命の力を止めてしまえば大地が枯れてしまう所も出てきてしまいます。けれど、そのままにしておくこともできませんでした。
長く考えた末、彼は決断を下しました。
彼はウルゼアと共に眠りについていない神々を率い、戦火を鎮めるために打って出ました。
彼等は欲に溺れた者達を倒し、世界を鎮めました。
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