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翌日。
俺は既に学校に登校していて時間的にはもうそろそろHRで点呼が始まろうとする時間帯だ。現に俺のクラスでは点呼が始まっている。件のヤクザ教師は気が早い質のようだ。
「煉獄ー」
「はい。」
「麓門ー」
「ヘーイ。」
そして細かいことを気にしない。
「…有づk《―スパーン「オイ緋r…「簀巻きだオラァア!!!!」ぶべらっ!!」
奇声を上げて一は吹っ飛んだ。学習しない奴だなアイツは。そしてK(空気を)Y(読め)。
着々と進められていくHR。そして着々と簀巻きにされていく一。絵面が嫌すぎて誰もが教壇から目を逸らす。
「ょっこらせっと。…これでよし!
じゃあ今日は1日目で特にすることないから1時間目つぶして自己紹介やら済ませるぞ!
じゃあ私は一旦職員室に戻るから5分前には席に着いておけよ!」
教室の後ろに一を逆さ吊りにした後手を叩(はた)きながら話す青木部先生は、じゃあなー、と手を振って教室から去って行った。
…そこで平然と去って行くなよ教師。
*
「…ねぇ緋煉。一君降ろさなくていいの?」
「…自業自得だ。放っとけばいい。」
決められていた出席番号の通りに後ろの方の席に座っていた俺のところにトコトコと寄ってきた秀。
「…アイツの場合はしてやるだけ無駄だ。学習しないからな。」
そう言って顔を背けると秀は微妙な顔をした。
「…そう。」
何か言いたそうにしていたがそのまま席に戻っていった。
それよりも俺は視線の先にいた無駄に五月蝿い柄の悪い奴らが気になっていた。
*
「名前と得意な属性は絶対言えよー。なんか付け加えたいことは言っていいからちゃっちゃと始めろー。」
との言葉に自己紹介は始まった。
が。
「…有月一っす…ぅおえっ…。一番使えんの、は、土で他はビミョー…。以後よろぅっぷ…。」
血が登って赤黒かった顔を今は真っ青にして吐きそうにしながら喋るのは一。
コイツがトップバッターとは…。なんとも締まらない。
ボロボロのフラフラで席に帰っていく背中を見て青木部先生は「流石にやり過ぎたか。」と言うような顔をしていた。
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