プロローグ

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――日本、某所。 1つの小さな集落があった。 山村の山の整備をする者でも立ち入らないような険しい山奥。 その集落は外界から隔離された所の割には人で賑わっていた。 その集落から少し離れた所にソレはあった。 一軒の木造の家。 いや、家と言うよりは小屋と言った方が正しいのかもしれない。 中には仕切りが一切なく、格子の填められた窓と扉と少しの日用品以外、何もなかった。 その小屋の中に、1人の傷だらけの少年がぽつんと座っていた。 少年は何をするでもなく、虚空を見つめていた。 その時―― ―バァンッ 勢いよく小屋の扉が開かれた。 「…今日も生きてたのか。恥曝し」 3人の大柄な少年達が立っていた。 「なんでお前なんかが生きてんだよ!!!?お前がいるせいで、俺等は族長になれないんだぞ!?責任とれよ!!」 少年達の内1人が喚きながら少年を殴りつけた。 それを皮切りに残りの2人も少年に暴行し始める。 どれだけ殴られても、少年は彼等に抵抗しなかった。 多勢に無勢な上に元々あった衰弱、何より、少年はこうされることに慣れ過ぎていた。 少年達の暴行はまだまだ続く。 「なんで力も使えないお前なんかが始祖と同じ銀髪なんだ!!!?」 …そんなコト、こっちが聞きたい…。 その言葉は声にされることはなかった。 少年達は少年をひとしきり殴った後、小さな体をそのままに小屋から去っていった。
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