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「僕は本当に何なんだろう…?」
少年は痛む体を起こした。
あれだけの暴行を受けながらも衰弱していた体のはずなのに、彼は気絶することもできなかった。
彼には今のところ、一族に伝わる"力"が使えない代わりに有り得ない程の生命力があった。
空腹による衰弱は補えなかったが。
少年は虚しくて、泣きたくなった。
凄く両親に会いに行きたかった。
しばらく時がすぎて、7歳だった少年は8歳になった。
時間が経っても大して状況は変わらなかった。
…最近アイツ等が来ない。
殴ることすらも飽きたのだろうか?
何をする気も起きず、少年は床に寝転んでいた。
と。
―バタン
突然扉が開いた。
そこにはアイツ等が立っていた。
一番前にいた男が口の端をニヤリと吊り上げた。
ひどく、嫌な予感がした。
「お前に朗報だ。
お前の親2人は死んだ。」
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