プロローグ

3/5
前へ
/32ページ
次へ
「僕は本当に何なんだろう…?」 少年は痛む体を起こした。 あれだけの暴行を受けながらも衰弱していた体のはずなのに、彼は気絶することもできなかった。 彼には今のところ、一族に伝わる"力"が使えない代わりに有り得ない程の生命力があった。 空腹による衰弱は補えなかったが。 少年は虚しくて、泣きたくなった。 凄く両親に会いに行きたかった。 しばらく時がすぎて、7歳だった少年は8歳になった。 時間が経っても大して状況は変わらなかった。 …最近アイツ等が来ない。 殴ることすらも飽きたのだろうか? 何をする気も起きず、少年は床に寝転んでいた。 と。 ―バタン 突然扉が開いた。 そこにはアイツ等が立っていた。 一番前にいた男が口の端をニヤリと吊り上げた。 ひどく、嫌な予感がした。 「お前に朗報だ。 お前の親2人は死んだ。」
/32ページ

最初のコメントを投稿しよう!

20人が本棚に入れています
本棚に追加