中館の怪談
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仮眠室の扉がばぁん!と閉められ、二人で図書室に逃げ込んだ。 「なにがあったの?」 「……。言ってもいいな?」 「どうぞ。」 「実は……。」 雄大の話しでは、自分と標本との間には百科辞典か何か、ぶ厚い本が臑(すね)の中央くらいまであったという。少なくとも20センチくらいか。そこを飛び越えたか、すり抜けるなんて有り得ない――。
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