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だが、杏菜は元警視総監説に食い付いた。
「それに、じいちゃん。中学しか出てないはずだから、仮に警察官だった過去があったとしても、キャリアじゃなければ警視総監なんてなれないよ」
「そう言うもんなんだ……」
「まぁ、警察にボクらの知らない裏があるって事で、今のところは納得するしか無いんじゃないか?」
明確な理由は、結局分からなかった。
だが、少なからず源治に関する新たな事実を知り、心に引っ掛かっていた疑問が解けた。
源治は、警察と関わりを持っている。
詳細は、源治を取っ捕まえて聞き出せばいい。その事実が常識外れだろうが、源治は嘘を付いたりしないだろう。
そうなれば、次に洋輔がやる事は決まっている。
「妖界に行こう……」
「んっ、洋ちゃん。今、何か言った?」
「何でもない」
洋輔は、杏菜から妖怪の話題が振られる前に、適当な理由をつけて道場の事務所から脱出した。
その足は、自宅へ向かう。
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