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それは前回の戦いで、洋輔と神奈が妖武具に封じた鬼であった。
その傍らには、河童と鎌鼬の姿もある。
「俺を封じた金棒は、使えそうか?」
「それは、まだ……」
「そうか……」
「ご先祖さまは、妖武具を手にするとすぐに使えたそうだけど、僕には才能が無いみたいでね」
人間界では天才の洋輔だが、妖怪に関わる事となると思うようにいかない。
特に、妖武具の扱いは。
妖武具を扱うには、洋輔の精神と妖武具とを同調させる必要があり、それには個体差がある為に一つが使えたからと言って、全てが使えるようになる訳では無い。
河童は、リズム。
鎌鼬は、風。
鬼の金棒は、草原のイメージは流れ込んできたものの、それに同調させる方法が分からないでいる。
それは、これから見付けなければならない。
「次の妖と戦うまでには、何とかしたいけどね」
「次の妖?」
「うん、たぶん雪女だと思うんだけどね」
「雪女か、それは相手が悪いかもしれんな」
鬼は、雪女について何かを知ってる口振りであった。
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